レンタカーの点検は、
自家用車の2倍の頻度で来る
レンタカーの点検が自家用車と同じだと思っていると、周期を1年ぶん取り違えます。乗用車のレンタカーは6か月ごと。自家用乗用自動車の1年に対して2倍の頻度です。貨物の普通車・小型車と乗車定員11人以上のものは、さらに短い3か月ごとになります。
この記事では、点検の周期・日常点検・記録簿・整備管理者・車検の5つを、e-Gov法令検索で取得した条文と、国土交通省が公開している資料の両方から整理します。取得日はすべて2026年9月3日です。条文と国交省ページで書き方が分かれている論点も、そのまま書きます。
- 定期点検の周期(6か月と3か月の分かれ目)
- 軽トラックはどちらか——条文と国交省ページの食い違い
- 日常点検は1日1回、運行開始前
- 2日以上の貸渡しでは、日常点検の話が変わる
- 点検整備記録簿の記載事項と保存1年
- 整備管理者は何台から
- 車検は初回2年・以降1年
- 書類ごとに保存年数が違う
レンタカーの定期点検は、何か月ごとですか?
乗用車と軽自動車は6か月ごと、貨物の普通車・小型車と乗車定員11人以上のものは3か月ごとです。自家用乗用自動車は1年ごとですから、レンタカーの乗用車は2倍の頻度になります。
第四十八条 自動車(中略)の使用者は、次の各号に掲げる自動車について、それぞれ当該各号に掲げる期間ごとに、点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。
一 自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量八トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車 三月
二 (中略)同法第八十条第一項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車(前号に掲げる自家用自動車を除く。) 六月
三 前二号に掲げる自動車以外の自動車 一年
| 車の区分 | 定期点検 | 根拠 |
|---|---|---|
| レンタカーの乗用(普通・小型、定員10人以下) | 6か月ごと(+12か月ごと) | 法48条1項2号/別表第五 |
| レンタカーの検査対象軽自動車 | 6か月ごと(+12か月ごと) | 法48条1項2号/別表第五 |
| レンタカーの貨物(普通・小型) | 3か月ごと(+12か月ごと) | 法48条1項1号/別表第三 |
| レンタカーの乗車定員11人以上 | 3か月ごと(+12か月ごと) | 法48条1項1号/別表第三 |
| レンタカーの二輪 | 6か月ごと(+12か月ごと) | 法48条1項2号/別表第五の二 |
| (比較)自家用乗用自動車 | 1年ごと(+2年ごと) | 法48条1項3号/別表第六 |
点検の技術上の基準は、施行規則ではなく別の省令にあります。別表第一から別表第八までは「自動車点検基準(昭和二十六年運輸省令第七十号)」に置かれています。道路運送車両法施行規則の側に点検の別表はありません。探す場所を間違えやすいところです。
軽トラックのレンタカーは、3か月ですか、6か月ですか?
条文を読むと6か月です。3か月側に上げる規定は「貨物の運送の用に供する普通自動車及び小型自動車」に限られており、道路運送車両法上の車種区分である軽自動車を含みません。
第三条 法第四十八条第一項第一号の国土交通省令で定める自家用自動車は、次に掲げる自動車とする。
(中略)三 次に掲げる自動車であつて、道路運送法第八十条第一項の規定により受けた許可に係る自家用自動車(前二号に掲げるもの及び二輪自動車(側車付二輪自動車を含む。)を除く。)
イ 貨物の運送の用に供する普通自動車及び小型自動車
ここは、資料によって書き方が分かれています。
国土交通省「点検整備の種類」のページは、レンタカーを「乗用車」と「乗用車以外」で二分し、乗用車以外を3か月としています。軽トラックの扱いは分けていません。
一方、中部運輸局愛知運輸支局が公開している講習資料(令和8年2月18日)は、3か月の行に「※軽トラックは除く」と明記し、軽トラックを6か月の行に置いています。
条文の文言は、後者と整合します。ただし本記事は法令の解釈を示すものではありません。判断に迷う場合は、管轄の運輸支局にご確認ください。
日常点検は、誰がいつ行うのですか?
1日1回、その運行の開始前です。義務を負うのは「使用者又はこれらの自動車を運行する者」と条文に書かれています。自家用乗用自動車は「適切な時期」ですから、ここでも扱いが違います。
第四十七条の二 自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、(中略)自動車を点検しなければならない。
2 次条第一項第一号及び第二号に掲げる自動車の使用者又はこれらの自動車を運行する者は、前項の規定にかかわらず、一日一回、その運行の開始前において、同項の規定による点検をしなければならない。
貸渡期間が2日以上のとき、日常点検はどうなりますか?
貸渡証に、借受人が実施することとなる旨を記載することが求められています。レンタカーの取扱いを定めた通達が、遵守事項の一つとして挙げています。書面に書いて渡すところまでが、事業者の側の手当てです。
(エ)「貸渡期間が2日以上となる場合には、日常点検を借受人が実施することとなる」旨の記載
自旅第138号「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」別記2 キ。2026年9月3日に国土交通省公開のPDFで確認。貸渡証に何をどの順で書くかは、別の記事で整理しました。遵守事項の4文言は固定なので、様式に一度入れておけば毎回考える必要はありません。
点検整備記録簿には、何を書いて何年保存するのですか?
レンタカーは1年間です。貸渡簿の2年間とは年数が違います。記載事項は法が5つ、省令が3つを定めており、省令側に点検時の総走行距離が入っています。記録簿は当該自動車に備え置くこととされています。
- 法が定める5つ:点検の年月日/点検の結果/整備の概要/整備を完了した年月日/その他省令で定める事項
- 省令が定める3つ:自動車登録番号または車両番号または車台番号/点検または特定整備時の総走行距離/点検または整備を実施した者の氏名または名称および住所
2 点検整備記録簿の保存期間は、その記載の日から、第二条第一号から第四号までに掲げる自動車にあつては一年間、同条第五号及び第六号に掲げる自動車にあつては二年間とする。
自動車点検基準 第四条第二項。e-Gov法令検索より 2026年9月3日取得。レンタカーは第二条第一号から第四号までの側です。総走行距離が記載事項に入っている点は、日々の記録とつながります。返却のたびにメーターを残していれば、点検の時点でその車が何キロ走っているかを探し直さずに済みます。走行距離を日々どこで拾うかは、貸渡簿の記事で書きました。
整備管理者は、何台から必要ですか?
乗用のレンタカーは、使用の本拠ごとに10両以上です。乗車定員11人以上のものは1両、乗車定員10人以下で車両総重量8トン以上のものは5両から。営業所ごとに数える点にご注意ください。
| レンタカーの種類 | 選任が必要になる台数 |
|---|---|
| 乗車定員11人以上(バス等) | 1両以上 |
| 乗車定員10人以下で車両総重量8トン以上 | 5両以上 |
| その他(乗用車など) | 10両以上 |
資格は、同種類の自動車の点検・整備または整備の管理に関して2年以上の実務経験があり、地方運輸局長が行う研修を修了した者、または1級・2級・3級の自動車整備士技能検定に合格した者と定められています(道路運送車両法施行規則第31条の4)。
レンタカーの車検は、何年ごとですか?
登録車の乗用レンタカーは、初回2年・2回目以降1年です。自家用乗用自動車は初回3年・2回目以降2年ですから、2回目以降の間隔が半分になります。
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトが公開している表も、貸渡自動車(レンタカー)を初回2年・2回目以降1年としています(2026年9月3日確認)。
軽自動車のレンタカーについては、明示した国交省の記載を見つけられませんでした。同ポータルの表は「貸渡自動車」と「検査対象軽自動車」を別の行に置いており、軽のレンタカーを分けて書いていません。該当する場合は運輸支局にご確認ください。
書類ごとに、保存年数が違います
| 書類 | 保存期間 | 起算日 | 置き場所 |
|---|---|---|---|
| 貸渡簿 | 2年間 | 貸渡しの終了日 | 営業所(書面または電磁的記録) |
| 点検整備記録簿 | 1年間 | その記載の日 | 当該自動車に備え置く |
| 貸渡証 | (保存の定めなし。交付する書類) | — | 運転者が携行 |
年数も起算日も置き場所も、3つとも違います。「まとめて2年」で運用すると、記録簿は車から離れてしまいます。記録簿は車に備え置くものなので、車両ごとに管理する必要があります。
レンタゲートでは、どこまで管理できますか
12項目の周期管理ができます。車検・自賠責保険・任意保険・定期点検・発煙筒の5つを法定、エンジンオイルやタイヤなど7つを消耗として扱います。定期点検の初期値は6か月で、営業所ごとに変更できます。
- 法定の超過だけを強い色で示し、消耗品は超過しても注意色に留めています。全部を赤にすると赤が意味を失い、車検を見落とすためです
- 周期は日数と走行距離の両方で持てます。オイルのように「6か月または5,000km」で来るものに対応します
- 会社ごとの既定値を先に決めておき、車両ごとに上書きできます
レンタゲートは、スタッフが持つ端末を主な操作端末にしたレンタカーの現場運用システムです。受けた予約を1つの画面に並べ、事前チェックイン・配車・出庫返却・貸渡証の交付までを1台で扱います。1営業所あたり月額30,000円(税別)、初期費用0円、最低契約期間はありません。
製品ページを見る →レンタゲートが行わないこと
- 点検整備記録簿の作成・出力は行いません。周期の管理と実施記録までで、法定様式の記録簿を出す機能はありません
- 点検そのものの内容(別表の項目)は扱いません。何を点検するかは整備工場の領域です
- 整備工場との連携・見積・発注は扱いません
- 周期の初期値は目安です。実際の周期は事業形態によって異なるため、整備工場の指示を優先してください
よくある質問
乗用車と軽自動車は6か月ごと、貨物の普通自動車・小型自動車と乗車定員11人以上のものは3か月ごとです。道路運送車両法第48条第1項が、道路運送法第80条第1項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車を第2号に置き、その期間を6月と定めています。自家用乗用自動車は同項第3号で1年ですから、レンタカーの乗用車は2倍の頻度になります。
条文を読むと6か月です。3か月側に上げる規定である自動車点検基準第3条第1項第3号イは「貨物の運送の用に供する普通自動車及び小型自動車」に限られており、道路運送車両法上の車種区分である軽自動車を含みません。ただし国土交通省の「点検整備の種類」ページはレンタカーを乗用車と乗用車以外で二分しており、軽トラックの扱いを分けていません。判断に迷う場合は管轄の運輸支局にご確認ください。
1日1回、その運行の開始前です。道路運送車両法第47条の2第2項が、同法第48条第1項第1号および第2号に掲げる自動車について「使用者又はこれらの自動車を運行する者」に、1日1回運行開始前の点検を義務づけています。レンタカーは第2号に該当します。自家用乗用自動車は第1項の「適切な時期」ですから、ここでも扱いが違います。
貸渡証に、借受人が実施することとなる旨を記載することが通達で求められています。レンタカーの取扱いを定めた通達の別記2キ(エ)が、遵守事項の一つとして「貸渡期間が2日以上となる場合には、日常点検を借受人が実施することとなる」旨の記載を挙げています。書面に書いて渡すところまでが事業者の側の手当てです。
レンタカーは1年間です。自動車点検基準第4条第2項が、点検基準第2条第1号から第4号までに掲げる自動車は1年間、第5号および第6号に掲げる自動車は2年間と定めています。レンタカーは前者です。貸渡簿の2年間とは年数が違うので、別々に数える必要があります。また記録簿は、道路運送車両法第49条第1項により当該自動車に備え置くこととされています。
道路運送車両法第49条第1項が、点検の年月日、点検の結果、整備の概要、整備を完了した年月日、その他省令で定める事項を挙げています。省令側の自動車点検基準第4条第1項が、自動車登録番号または車両番号または車台番号、点検または特定整備時の総走行距離、点検または整備を実施した者の氏名または名称および住所を定めています。
レンタカーの乗用車で、乗車定員10人以下かつ車両総重量8トン未満のものは、使用の本拠ごとに10両以上で必要です。乗車定員11人以上のものは1両、乗車定員10人以下で車両総重量8トン以上のものは5両からです。道路運送車両法施行規則第31条の3が台数を定めています。
登録車の乗用レンタカーは初回2年、2回目以降は1年です。国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトの表も、貸渡自動車について初回2年・2回目以降1年としています。自家用乗用自動車は初回3年・2回目以降2年ですから、ここでも扱いが違います。
12項目の周期管理ができます。車検・自賠責保険・任意保険・定期点検・発煙筒の5つを法定として扱い、エンジンオイルやタイヤなど7つを消耗品として扱います。定期点検の初期値は6か月で、営業所ごとに変更できます。法定の超過だけを強い色で示し、消耗品は超過しても注意色に留めています。点検整備記録簿そのものを作成・出力する機能はありません。
出典
条文は e-Gov法令検索、国交省資料は各公開ページから、いずれも2026年9月3日に取得しました。
- 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号) https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
- 自動車点検基準(昭和二十六年運輸省令第七十号) https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070
- 道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号) https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800074
- 国土交通省「点検整備の種類」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/
- 中部運輸局愛知運輸支局「レンタカーの定期点検、日常点検及び整備管理者について」(令和8年2月18日) https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/aichi/renta_koshu/tenkensebi_hoan.pdf
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「自動車検査証の有効期間」 https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/about/inspect/validity-period/index.html
- 国土交通省 自旅第138号「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001485360.pdf
本記事は法令の解説や解釈を目的としたものではなく、条文と公開資料に書かれていることを整理したものです。個別の適用については、管轄の運輸支局または整備工場にご確認ください。