「総保有数が、合わない」
から始まった改善

沖縄県でレンタカーを営む White one(ホワイトワンネットワーク株式会社)との、改善の記録です。同社の了承を得て、実名で掲載しています。この事業者からの指摘が、いまのレンタコネクトの設計をかなりの部分つくりました。
- 改善は機能要望ではなく、数字への違和感から始まった
- 1つの列に、性質の違う3つの数が混ざっていた
- 私たちだけでは気づけなかった計算ルール
- 「黙って壊れる」場所を潰した5つの改善
- よくある質問
改善の出発点は、何だったのですか?
在庫現況表を最初にお見せしたとき、現場から返ってきたのは一言でした。
総保有数が、合わない。
原因は、私たちが性質の違う3つの数を1つの列に混ぜていたことでした。「物理台数」とまとめてしまえば作る側は楽ですが、見る側にとっては別々の意味を持つ数字です。
| 分けた3列 | 意味 |
|---|---|
| 保有(総台数) | 実際に持っている台数 |
| 不在 | 整備中・長期貸出などで、いまそこに無い台数(参考値) |
| 計算分母 | 販売可能数の計算に実際に使う数 |
私たちだけでは気づけなかった2つのルールとは、何ですか?
続けて、計算のルールが2つ、現場の判断で確定しました。
① 当時の在庫の表では、不在を 0 として計算する。分母は保有のまま。データベースの不在値には触れず、表の計算でだけ無視しました。現在のレンタコネクトは、不在の台数を保有台数から引いて販売可能数を出し、不在の期限の翌日から保有台数に戻します。
② クラス(等級)の予約は、代表車両に寄せない。車両が指定されていない予約を1台に押し付けません。
2つ目は、私たちだけでは気づけなかったものです。システムから見れば「どれか1台に割り当てておく」ほうが処理は単純になります。しかし現場から見れば、その瞬間に実在しない売り切れが1台ぶん生まれる。在庫は帳簿の中の数ではなく、駐車場に置いてある実物だからです。
「黙って壊れる」場所を、どう直したのですか?
その後に続いた改善は、派手な機能追加ではありません。振り返るとほとんどが、気づかないうちに間違った数字が出ていく経路を塞ぐ仕事でした。
保存し忘れると、古い在庫が送られていた
車両台帳では、車両名・総台数・不在の変更が一括の保存ボタンを押さないと反映されませんでした。押さずに画面を離れると、変更が静かに消え、古い販売可能数のまま販売サイトへ送られ続ける。項目ごとの即時保存に一本化し、押し忘れという事故そのものを無くしました。
台数を誰がいつ変えたのか、記録が無かった
総台数・不在・定員・店舗の変更は、変更ログが0件でした。変更前の値・変更後の値・操作した人を残すようにし、数字が動いた理由を後から追えるようにしました。
「不在」に期限を持たせた
整備中の車を不在にすると、その状態が期限なく続いていました。在庫の送信は先の日付まで行うため、整備が終わったあとの日付の在庫まで削られ続ける。不在に期限を設定し、期限より先の日付では在庫を戻すようにしました。
店舗の紐付けが済んでいないと、商品が1件も出てこなかった
商品を取り込む画面で、店舗の対応付けが終わっていないと候補が0件になっていました。商品自体は取り込めているのに、画面には何も出ない。店舗の対応付けに依存せず、商品名で1行にまとめて表示するようにしました。
販売サイトごとに、等級の切り方が違う
扱う販売サイトでは、等級の区切りが揃っていませんでした。
| サイト | 等級の区切り |
|---|---|
| A社 | 軽/コンパクト/7名乗り/ミニバン(4区分) |
| B社 | 軽/コンパクト/ワゴン・ミニバン(3区分) |
| C社 | 軽/小型車/ミニバン(3区分) |
B社の1商品が、A社の2等級にまたがります。この重なりは自動では解けません。そこで、どこで線を引くかを事業者が決められる形にし、決まっていない範囲は送信せず監視だけにしました。
「自動で判断しないこと」を、機能にしたのです。等級の境界は商売の判断であって、システムが決めることではありません。
レンタコネクトが行わないこと
- クラス(等級)の予約を、特定の1台に割り当てること
- 販売サイトごとに違う等級の境界を、自動で決めること(どこで線を引くかは事業者が決めます)
- クラスでつないだ商品へ、計算した台数を送ること(監視のみです。自動0クローズを有効にした場合の0と、閉じる直前の値への戻しを除きます)
- 接続した直後に、販売サイトへ書き込むこと
等級の境界を自動で決めない。手で入れた値を上書きしない。読み取れなかった日を異常と決めつけない。導入初日は何も書き込まない。——どれも最初から分かっていたことではありません。レンタコネクトは初期費用0円、月額10,000円(税別)から。
レンタコネクトを見る →よくある質問
不在の台数は、保有台数から引いて販売可能数を出します。不在に期限を入れた場合は、期限の翌日から保有台数に戻ります。
代表車両に寄せません。1台に割り当てると、その車だけが売り切れに見え、実在しない売り切れが生まれます。
どこで線を引くかは事業者が決められる形にしています。決まっていない範囲は送信せず、監視だけを行います。
沖縄県でレンタカーを営む White one(ホワイトワンネットワーク株式会社)です。同社の了承を得て実名で掲載しています。改善の内容は、実際の変更記録にもとづいています。
出典
- 本記事は、当社レンタコネクトを導入した White one(ホワイトワンネットワーク株式会社・沖縄県)とのやり取りにもとづく当社の記録です。事業者名は同社の了承を得て掲載しています。なお、同社は当社製品の販売パートナーでもあります。
- クラス(等級)の予約を車両に割り当てないこと、車両台帳の項目ごとの保存と変更の記録(変更前・変更後の値と操作した人)、不在の期限、クラスでつないだ商品を監視のみとすること、接続した直後に書き込まないことは、当社のレンタコネクトの実装にもとづく記述です(2026年9月12日時点)。